こんにちは、健ちゃんです。
昨日、AppleがMac StudioとMac miniの新しいモデルを発表しました。予約はもう始まっていて、発売は9月22日です。
値段を見て、正直なところ手が止まりました。上位のモデルで94万9800円だそうです。24回分割にすると月39,575円になります。
実は僕、12日前にほとんど同じ話を書いています。NVIDIAの「DGX Spark」という机の上に置ける機械について、買うか待つかを調べた記事です。あのとき僕は「待ちです」と書きました。締めくくりはこうでした。
> 手元に大きなモデルを常駐させたくなった日が、僕にとっての検討タイミングです!
その12日後に、新型Macが出てきたわけです。
結論から言うと、AI用のパソコンを買うかどうかは、値段で決まりません。あなたに足りていないのが「広さ」なのか「速さ」なのかで、候補がほとんど決まってしまうんです。
そして、そこから先は技術だけの話ではなくなります。僕自身が買うかどうかは、現時点ではまだ出ていません。その理由も最後にお話しします。
まず、メモリが多いと何がうれしいのか
ここから2つだけ、基礎の話をさせてください。スペック表を読むための前提知識になります。
1つめがメモリです。
パソコンのメモリを、倉庫だと思ってください。AIを動かすというのは、その倉庫にAIの本体をまるごと置く作業にあたります。
ここで一番大事なことを言いますね。倉庫に入りきらないAIは、遅くなるのではなく、そもそも動きません。
「え、遅くてもいいから動かせないの?」と思いますよね。動かせません。倉庫に入らない荷物は置けないからです。半分だけ置く、ということもできません。
だから大きなAIを手元で動かしたい人にとって、メモリの広さは速さの話ではないんです。入るか、入らないか。0か1かの話なんです。
僕がいま使っているのは2019年のMacBook Proで、メモリは16GBです。この程度の倉庫では、世の中で話題になっているAIはまず入りません。
AIは、1文字書くたびに倉庫を全部読み直しています
2つめが、今日の記事で一番お伝えしたいところです。
AIが答えを書くとき、1文字ぶん進むたびに、倉庫に置いてあるAI本体を端から端まで読み直しています。1回だけ読んで覚えておく、という動き方をしません。
そうすると、倉庫の広さとは別の性能が効いてきます。倉庫から中身をどれだけ速く運び出せるかです。搬出口の広さ、と呼ぶことにします。
搬出口が狭いと、答えがポツポツとしか出てきません。人が待たされる速さです。反対に搬出口が広いと、読むのが追いつかない勢いで文字が流れていきます。
同じAIを載せても、機械によってここが変わりますよ。
長い記事を書かせるとか、AIに何十回もやりとりさせるとか、そういう使い方をするほど、この差が積み上がります。
この2つで、いまのAIマシンは説明できます
倉庫と搬出口。この2つで並べると、機械の性格が見えてきます。
DGX Spark(NVIDIA、約100万円)は、倉庫がとても広くて、搬出口が狭い機械です
RTX 5090を積んだPCは、まったく逆。倉庫は狭いのに、搬出口がものすごく広い
Mac mini(M6、14万9800円から)は、倉庫も搬出口も小さめ
Mac miniの上位(M5 Pro、29万9800円から)で、倉庫が少し広がります
Mac Studioの下位モデル(M5 Max、41万9800円から)は、どちらもそこそこ
Mac Studioの上位モデル(M5 Ultra、94万9800円から)は、両方とも広い
搬出口だけを見ると、いまでもRTX 5090のほうが速いです。Appleが公表しているM5 Ultraの読み出し速度は毎秒1.2テラバイト、NVIDIAが公表しているRTX 5090は毎秒1,792ギガバイトで、およそ1.5倍の差があります。
12日前の僕は、この表の上2つで悩んでいました。倉庫を取るか、搬出口を取るか。どちらか一方しか選べませんでした。
3D制作と動画生成が主な仕事なので、僕に効くのは搬出口のほうでした。だからDGX Sparkは「待ち」だったわけです。
多くの人には、Mac miniで足ります
先に、こちらを書いておきます。同じ日に出た Mac mini のほうが、たいていの人には現実的です。
いちばん安い M6 のモデルが14万9800円から。分割なら月6,241円です。倉庫は最大32GB、 上位の M5 Pro(29万9800円から)にすると最大64GBまで広がります。
もちろん Mac Studio と比べれば、倉庫も搬出口も小さいです。ただ、AIをクラウドで使っていて、 手元は「編集と書き出しが快適ならいい」という人なら、ここで十分に足ります。 僕がいま使っている2019年のIntel Macから見れば、どちらも別世界の速さです。
95万円の話に引きずられて、15万円で済む人まで悩む必要はありません。
Mac Studioが変えたのは、ここです
新しいMac Studioの上位モデルは、DGX Sparkとほぼ同じ値段でありながら、倉庫が4倍、搬出口が4.4倍あります。
つまり「どちらか一方」という前提が崩れました。
もう少し具体的に書きます。倉庫にあたるメモリは最大512GBまで選べます。Appleは「数千億の規模のAIを、本体だけで動かせる」と言っています。AI向けの計算能力は、前の世代と比べて最大4.3倍という数字も出しています。
ここは注意して読んでください。4.3倍はAppleが出している数字で、どういう条件で測ったのかは公開されていません。
あと、予約する方は1つだけ気をつけてください。512GBのメモリを選べるのは10月下旬からです。9月22日には届きません。
Mac miniも含めて、構成と価格を並べておきます。
ここまでは技術の話です。でも、買うかどうかは技術だけでは決まりません
さて、ここからが本題です。
上の話で分かるのは、どの機械があなたの候補に入るかまでなんですね。買うかどうかは、まったく別の話になります。
新しいパソコンは、道具ではなく投資です。投資と呼ぶ以上、リターンの見込みがないといけません。
僕はここで手が止まりました。いまの環境でAIを毎日使い倒しているのに、それで集客も、収益も、まだ十分にできていないんです。その状態で95万円のMacを買っても、高い確率で結果は変わりません。
もちろん、いまのMacに限界があるのは事実です。2019年のIntel Macですから、AIを手元で動かすことはできませんし、作業も速いとは言えないでしょう。macOSの配信もいずれ止まりますから、買い替えが必要なのは明らかです。
でも「不便だから買う」は、判断ではないんですよね。「欲しい」と「買う」は別です。
もう1つ、投資には別の判断基準があります。コスト削減です。いま毎月AIのサブスクへ払っている分が、手元で動かすことでどれだけ消えるのか。そこが成り立つなら、投資として筋が通ります。
僕の場合は月に4〜5万円ほど払っています。分割の39,575円と、桁としては近い数字です。ただし手元で置き換えられるものと、置き換えられないものがあります。ここはまだ計算しきれていません。
あなたに足りないのは、広さですか、速さですか
技術のほうの絞り込みは、こう考えると早いです。
「載らない」で困っている人。動かしたいAIが手元で起動しない、という状態ですね。この場合は倉庫の広さが効くので、Mac Studioの上位モデルが候補に入ります。
「遅い」で困っている人。動くけれど待たされる、という状態です。搬出口が効くので、Mac Studioの上位モデルか、RTX 5090を積んだPCが候補です。ただし3Dや動画が主目的なら、同じ予算でRTX 5090機を組んだほうが速いです。
「特に困っていない」人。これが一番多いと思います。この場合は買わなくていいです。足りているものを買い足しても、何も速くなりません。
そして「困ってはいるが、AIはクラウドで使っている」人。手元でAIを動かす予定がないなら、 倉庫の広さにお金を使う理由がありません。Mac mini で足ります。
今日できること
まず、いま自分が困っている場面を1つ書き出してみてください。「載らない」なのか「遅い」なのか、それとも思いつかないのか。それだけで候補が絞れます。
そのうえで、もう1行書いてみてください。
「その機械で、いくら稼ぐのか」
これが書けないなら、まだ買うときではありません。僕はいま、この1行が書けずにいます。
僕の結論は、現時点では出ていません
ここまで読んで、「で、健ちゃんは買うの?」と思われたかもしれません。
まだ判断しきれていません。少なくともすぐには買わない、というより買えないのですが、だからといってずっと買わないとも言えないんです。
技術の判断は、条件が同じなら誰にでも当てはまります。倉庫が足りないのか搬出口が足りないのか、これは調べれば分かることです。
でも経済の判断は、その人の売上や経費や、これから何をやるかで変わります。僕の答えは、僕の家計と事業の数字の話であって、あなたに当てはまるものではありません。
なので僕は、まず自分がいまのIntel Macで最低限ちゃんと稼いでみます。それができないなら、新しいMacを買ってもできないはずですから。
まとめ
AI用のパソコン選びは、倉庫(メモリの広さ)と搬出口(読み出しの速さ)の2つで絞れます
倉庫に入らないAIは、遅くなるのではなく動きません
AIは1文字書くたびに倉庫を読み直すので、搬出口の広さが体感の速さになります
新しいMac Studioは、この2つを同じ価格帯で初めて両立させました
ただし多くの人には、同じ日に出た Mac mini(14万9800円から)で足ります
ただし買うかどうかは投資判断です。リターンの見込みが立たないなら、まだ買うときではありません
僕と同じ2019年のIntel Macでも、AIは毎日使い倒せています。新しいMacがないとできない、ということはありません。まずはいまの手元で、できることをやり切ってみましょう!
この判断を代わりに引くチェッカーを、メルマガ会員向けに置きました
上の図3を、そのまま動かせる形にしました。AI活用のためのパソコン選定チェッカーといいます。
予算、主にやりたいこと、いま困っていること、稼ぐ見込みが立つか。この4つを選ぶだけです。 買うとしたらどれがいいかと、いま本当に必要かどうかの注意を、2つ並べてお返しします。
僕と同じで「稼ぐ見込みがまだ立っていない」を選んでも、機種はちゃんと出ます。 そのうえで、「その機械で、いくら稼ぐのか」を1行書けますかと聞かれます。それだけの道具です。
判断の考え方は、この記事に全部書きました。チェッカーは同じ判断を代わりに引くだけなので、 記事を読んでいただければ、使わなくても自分で決められます。手間を省きたい方だけどうぞ。
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https://go.kenty.app/substack-ichinin?c=20260826-mac-studio







