ゲームは"売る"だけじゃない ── 自作ゲームを「動く名刺」にする発想
こんにちは、健ちゃんです。
今日はゲームマーケティングの話を、自戒を込めて書きます。
先に結論から。ゲームのマーケティングは、ものすごく難しいです。 それでも僕は、ゲームは作った方がいいと思っています。
理由は、作る前に置く「目的」を一つに絞らなければ、売上以外の回収経路が何本も残るからです。
なぜ難しいのか ── ニッチ戦略が効きにくい
ゲームは多くの人が楽しむ大きな市場です。市場が大きい場所には、資金も人材も豊富な相手が入ってきます。個人や小さなチームが正面から戦うのは簡単ではありません。
マーケティングの定石に「大手が入りにくいニッチを狙う」があります。小さな市場でも個人には十分な売上になり、大手には参入コストが見合わない。だから小さな作り手に勝ち目が生まれる。
ところが、ゲームというだけで競争相手は一気に増えます。 ニッチの前提が崩れやすいんですね。
だからこそ効いてくるのが、次の問いです。
あなたが作るゲームの目的は何ですか?
今日ひとつだけ持ち帰ってもらうなら、この問いです。
最初に浮かぶ目的は、たぶん「たくさん遊んでもらうこと」。もちろん大切です。ただ、目的がそれ一つだけだと、巨大市場のど真ん中で強い相手と殴り合う一本勝負になります。
目的は、一つに限定しなくていい。ここが今日の本題です。
「動く名刺」という回収経路
僕が作ったCNPトリガーは、プレイヤー数だけを見れば大成功とは言えません。それでも、このゲームに別の目的を置いていました。セルフブランディングと、IP・技術のショーケースです。
実際、CNPトリガーを見たことで僕を知ってくださった方がいます。
「あのアプリを作っている健ちゃんですね」
ゲームそのものが、印象に残る名刺になりました。
口頭で「ゲームを作っています」と言うのと、目の前のスマホで実際に動くものを見てもらうのとでは、伝わり方がまったく違います。カードが動き、対戦として成立する。そこまで見せて初めて「これはすごいですね」になる。
ダウンロード数では測れない価値が、ここにあります。
成立条件は「中身が複雑であること」
ここは正確に書きます。動くゲームが技術のショーケースになるのは、中身が本当に複雑だからです。
それらしい画面や、カードが動くだけの仕組みなら、いまはAIで短時間に作れます。差がつくのはその先です。ルールを正しくシミュレーションし、合法手を判定し、対戦をきちんと成立させる。ここまで作り込んで初めて、見せ物として意味を持ちます。
一見シンプルなゲームでも、中身はとても複雑です。だから完成品が証拠になる。
いま作っているパズルゲームでも、パズルが動くこと自体は目的にしていません。キャラクターをどれだけ魅力的に見せられるか、どんな動きを付けられるか。その技術を見せることが目的です。形になっているのにまだ公開していないのは、そのショーケース部分を作り込んでいるからです。
ホームページと同じ役割を持たせる
会社や事業のホームページは、必ずしも大量のアクセスを集めるためのものではありません。名刺を渡した相手や、興味を持って訪れた人に、自分たちが何者かを伝える役割があります。
ゲームも同じです。とくにIPを持っている人にとっては、キャラクターや世界観を体験してもらえる「動くホームページ」になれます。
キャラクターが動く。触ると反応する。世界の中で遊べる。
画像や文章では伝えきれない魅力を、体験として届けられる。遊ぶ人がまだ多くなくても、その場で見せられる一本があるだけで違います。
目的を重ねると、挑戦が続く
ゲームを作る目的は、重ねて構いません。
遊んでもらう
IPを知ってもらう
自分を覚えてもらう
技術を見せる
仕事やイベントにつなげる
学びを深める
重ねておくと、プレイヤー数や売上が伸びなかったときに全部が失敗にはなりません。 別の目的で価値が出ていれば、次の活動につながります。
僕自身、ゲームやAIについて話す機会につながりました。実物を見せられるからこそ、話に説得力が出ます。
ゲームは統合格闘技です。企画、デザイン、キャラクター、音、文章、プログラム、AI。見せたいものを詰め込んで、動く形で届けられる。これはゲームならではの強みです。
大ヒットだけを成功条件にすると、ゲーム作りは苦しくなります。「これは誰に何を伝えるためのゲームか」を先に決めると、選択肢が増えます。
あなたのゲームは、何を実現するために作りますか?
開発を始める前に、この答えを一行でいいので言葉にしてみてください。目的が決まれば、作る内容も、届ける相手も、見せ方も変わります。
ゲームマーケティングは難しい。それでもゲームには、売上やプレイヤー数だけではない価値があります。だから僕は、ゲームは作るべきだと思っています。
あなたのIPや技術を伝える「動く名刺」を、ぜひ一本。いまはエンジニアの知識がなくても、AIがあれば誰でも作れますからね。
あなたの一行、よかったらコメントで教えてください!
編集後記
僕もいま、AIを使いながら2D/3Dキャラクター作りを研究しています。
髪のモデル一つ作るだけでも、何度も失敗しています。最初の方法がうまくいかず、二つ目もうまくいかず、三回目でようやく出発点になりそうな形が見えてきました。
AIだけで全部完成、とはいきません。最後は人の手で直す部分も残ります。それでも、できることは少しずつ増えています。うまくいく道筋が分かれば、次はもっと早くなる。
ゲーム作りも同じですね。試しながら一本を形にすることが、次の挑戦の土台になります!
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